どんなことをするの?・・・・・ 遊び ではなく子どもの 「お し ご と」
「おしごと」とは、子どもが「自立」に向けて「発達」するための「練習」する活動のことをいいます。
こどものいえの活動は、主に手先を使いながら子どもの発達や興味に合わせて展開していきます。主に「切る」「貼る」「折る」「縫う」といった活動です。同時にモンテッソーリ教育独特の教具を使う活動もたくさんあります。その姿は大人から見ると一見「遊び」のように見えます。
しかし、こどものいえの活動は遊びではなく「おしごと」という言い方をします。これは日本全国のモンテッソーリ教育を行っている施設で共通した言い方です。
大人にもお仕事があるように、子どもにも「おしごと」があるのです。
大人のお仕事は労働を提供して対価を得ることです。それは生きていくために必要な行動です。いかに多くの人に「ありがとう」と言ってもらえるためにどうするのか、を考えて行動するのが大人にとって生きていく上での「課題」といってもいいでしょう。
子どもにも「課題」があります。それは「発達」です。
「発達」とは、できなかった事ができるようになる事をいいます。
こどもたちは産まれた瞬間から「自立」の方向に向かって歩き始めます。将来、自分でたくましく生きていくための力を付けていきます。首がすわる、寝返りをうつ、ずりばいをするといった行動はすべて、自分で生きていくために身につけているのです。
「自立」するためには、様々な事を身につける必要があります。文字や数がわかる事ももちろんですが、それ以前に、「自分はできる人間なんだ!」と思う心や「自分でやりたい!」という好奇心、そしてそれができる「いい目」や「いい耳」、「自分の思い通りに動く手先」を獲得する必要があります。
できなかった事ができるようになること、すなわち「発達すること」が子どもたちの「課題」なのです。
そして、私たち親にとって、わが子がだんだんできることが増えていくことは何にも代えがたい喜びではないでしょうか。
わが子が笑顔を見せてくれるようになって感動し、寝返りができて感動、ずりばいができて感動、といった経験は皆さんお持ちでしょう。
子どもの「発達」を目の当たりにすることは、親にとって幸せを実感する瞬間だと思います。
しかし、できない事ができるようになるためには「練習」が必要です。
こどものいえの「おしごと」は「自立」するための「発達」を手に入れるための「練習」です。
「おしごと」と遊びは似て非なるものです。
遊びには終わりがありませんが「おしごと」には終わりがあります。終わりがあることで、達成感や終わるまでの忍耐力、集中力を養うことができます。
遊びやおもちゃには使い方がほとんどありませんが、「おしごと」に使う「教具」には使い方やルールがあります。
教具の使い方を先生から見せてもらうことで、人の話を聞く力、段取りを覚える力を養います。ルールを守ることで、社会にはルールがあること、ルールの中で活動する力を育みます。
遊びはその遊びで完結しますが、「おしごと」はそのおしごとが様々なものにつながっています。例えば、ピンクタワーという大きさの違う10個の立方体を使うおしごとがあります。これは「順番に積み上げる」活動だけではなく、下記のような意図が隠されています。
●親指、人差し指、中指の3本指で立方体を持つことで、えんぴつを上手に持つ指を育てる。
●10個がひとくくりは10個が気持ちのいいかたまり、という感覚を得ることで10進法を意識している。
●一番小さい立法体が1に対して、一番大きい立方体は1000という比率になっている。
こどものいえには子どもたちが「自立」へ向かうための「発達」を目的とした「おしごと」がたくさんあります。
こどものいえでは子どもには楽しく「発達」をしてもらい、保護者さまにはそれを共有しながら子育てのしあわせを実感してほしい、と考えて活動をしています。
モンテッソーリ教育の活動とは・・・・5つの分野をバランスよく、興味発達に合わせた完全オーダーメイドの活動
一般的な学習スタイルでは、同学齢のクラス編成で全員○月の第△週には□の活動を行う、という形が多いのですが、モンテッソーリの活動には細かなカリキュラムがありません。
モンテッソーリの活動は敏感期に沿った形で用意されています。その都度子どもの興味に合わせた活動を行い、楽しく手先を使いながら知識も増やしていきます。その活動は大きく分けて5つの分野に分かれています。「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」「文化教育」の5つです。5つの分野はそれぞれ独立したものではありません。それぞれの分野がつながってモンテッソーリ教育の活動になります。活動では5つの分野のバランスを意識しながら、子どもの興味、発達に合わせて進めていきます。