日常生活の練習・・・・・生涯にわたって役立つ器用な手先をつくります
0歳~6歳の時期は思い通りに動かせる指先や手首、足を手に入れるための練習期間として、とても大切な時期です。
私たちが子どもの頃と現在の子どもたちの身の回りはずいぶんと変わっています。例えば、水を出すために蛇口をひねる運動が必要でしたし、ドアを開けるためにもドアノブを手でつかんでひねる、という運動が必要でした。日々の生活の中で手や手首、指先を使う運動がたくさんあったのです。現在の子どもたちの生活環境を見ると、蛇口に手をかざすだけで水が流れ、レバーを下げるだけでドアが開きます。オール電化の環境では火を見ることすらありません。大人目線で考えると、とても便利で効率がよいのですが、子どもの発達からの目線で考えると運動をする機会を奪われてしまっている状況なのです。
0歳~6歳は運動の敏感期にあり、近い将来、きれいに文字を書いたり、色を塗ったり、イメージ通りにハサミやカッターを使ったりなど、道具を自分の思い通りに使いこなすために必要な運動の練習期間です。体全体を使った運動ももちろん大切ですが、手先を使った細かな運動も大切な時期なのです。
運動の敏感期にいる子どもたちは手を動かす運動が大好きです。トングで物をつまんだり、スプーンでものをすくったり、小さいものをつまんだり、シールを貼ったり、クレヨンや色鉛筆で場所を考えずに描いたり、といった運動です。
モンテッソーリ教育の「日常生活の練習」では、主に手先を使った活動を行います。
「ハサミで切る」「のりで貼る」「折り紙を折る」「針と糸で縫う」といった動作を遊びの中で楽しく訓練し、器用な手先を養います。
小学校以降の学習の基本は「読み、書き、計算」と言われますが、幼児期の活動の基本は「切る、貼る、折る、縫う」と言われています。
手先を使った運動は脳の中でも自分自身をコントロールする「前頭葉」を活性化させることは医学的に証明されています。
幼児期に身につけた器用な手先は、ていねいに文字を書く、色を塗る、線に沿って切る、といった動作を身につけるだけでなく、思い通りの物を作れるようになることで自分に自信が付き、1つの物を作り上げることで、忍耐力や集中力も養うことができます。
こどものいえでは、新幹線が好きな子は新幹線の活動、花が好きな子は花の活動など、子どもの興味や発達のレベルにあった活動を行うことで、子どもが楽しく手先を使えるように促していきます。